厚労省では、令和3年4月から職場における熱中症予防対策徹底を図るため、熱中症予防に関する情報「熱中症警戒アラート」の発信を開始しました。
熱中症警戒アラートは、熱中症の危険性が極めて高い暑熱環境になると予想される日の前日夕方または当日早朝に都道府県ごとに発表されます。
暑さ指数とは?
この熱中症警戒アラートは熱中症との相関が高い「暑さ指数」を元に発表されます。この「暑さ指数」とは熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標です。人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい ①気温、 ②湿度 ③日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境を元に規格化されています。
暑さ指数=気温&湿度&日射/輻射熱
「暑さ指数」の指標には、一般的に暑さの基準とする気温の他に蒸し暑さと言われる湿度も入っています。しかし、もう1つの指標となる輻射熱については認知度が低いかもしれません。輻射熱(ふくしゃねつ)とは、遠赤外線などの熱線によって伝わる熱のことで、太陽が建物を通して放出される熱は輻射熱になります。建物内の熱の多くがこの熱の影響によるもので、夏の暑さにはこの3つが基準となります。

【環境省HPより】※平成17年の主要都市の救急搬送データを基に日最高WBGTと熱中症患者発生率の関係
こちらの図によると「暑さ指数」28(厳重警戒)を超えると熱中症患者が著しく増加する様子が分かります。この数値を超えない職場環境を整え、従業員のストレスの軽減と安全に努めることが求められています。