工場における熱中症警戒アラート

近年、熱中症による死亡者数・緊急搬送者数は著しい増加傾向にあり、気候変動等の影響を考慮すると熱中症対策は極めて重要な課題です。 令和3年4月下旬から環境省と気象庁が連携して情報を発信。関係省庁・関係団体を通じて、熱中症の危険のある職場の環境改善が促されるようになりました。

熱中症警戒アラートが出る基準は?

熱中症警戒アラートが発表されるのは、暑さ指数が 33 を超えると予想されるときです。 すなわち、「危険」になる基準をさらに超えた状態になるときに熱中症警戒アラートが発表 されることになり、そのときにはすでに熱中症になる危険性がかなり高い状態といえます。(暑さ指数についてはこちら

職場で推奨される熱中症への備え

厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署では令和4年クールワークキャンペーンを通して下記のような対策を推奨しています。

準備期間(4月)


WBGT値の把握の準備
JIS 規格「JIS B 7922」に適合したWBGT指数計を準備しましょう。※WBGT指数とは暑さ指数のことです。

作業計画の策定など
WBGT値に応じて、作業の中止、休憩時間の確保などができるよう余裕を持った作業計画をたてましょう。

設備対策・休憩場所の確保の検討
簡易な屋根の設置、通風または冷房設備やミストシャワーなどの設置により、WBGT値を下げる方法を検討しましょう。また、作業場所の近くに冷房を備えた休憩場所や日陰などの涼しい休憩場所を確保しましょう。

服装などの検討
通気性の良い作業着を準備しておきましょう。身体を冷却する機能をもつ服の着用も検討しましょう。

教育研修の実施
熱中症の防止対策について、教育を行いましょう。

労働衛生管理体制の確立
衛生管理者などを中心に、事業場としての管理体制を整え、必要なら熱中症予防管理者の選任も行いましょう

発症時・緊急時の措置の確認と周知
体調不良時の休憩場所や状態の把握、悪化時に搬送する病院や緊急時の対応について確認を行い、周知しましょう。

キャンペーン期間(5月1日~9月30日)


準備期間中に検討した事項を確実に実施するとともに、測定したWBGT値に応じて次の対策を取りましょう。

WBGT値を下げるための設備、休憩場所の設置
準備期間に検討した設備、休憩場所を設置しましょう。
休憩場所には氷、冷たいおしぼり、シャワー等や飲料水、塩飴などを設置しましょう。

通気性の良い服装等
準備期間に検討した通気性の良い服装なども着用

作業時間の短縮
WBGT値が高いときは、単独作業を控え、WBGT値に
応じて作業の中止、こまめに休憩をとるなどの工夫をしましょう。

暑熱順化
暑さに慣れるまでの間は十分に休憩を取り、1週間程度かけて徐々に身体を
慣らしましょう。特に、入職直後や夏季休暇明けの方は注意が必要です!

水分・塩分の摂取
のどが渇いていなくても定期的に水分・塩分を取りましょう。

プレクーリング
休憩時間にも体温を下げる工夫をしましょう。

健康診断結果に基づく措置
①糖尿病、②高血圧症、③心疾患、④腎不全、⑤精神・神経関係の疾患、⑥広範囲の皮膚疾患、⑦感冒、⑧下痢などがあると熱中症にかかりやすくなります。医師の意見をきいて人員配置を行いましょう。

日常の健康管理など
前日はお酒の飲みすぎず、よく休みましょう。また、当日は朝食をしっかり取るようにしましょう。
熱中症の具体的症状について理解し、熱中症に早く気付くことができるようにしましょう。

作業中の作業者の健康状態の確認
管理者はもちろん、作業員同士お互いの健康状態をよく確認しましょう。特に、入職直後や夏季休暇明けの作業員に気を配りましょう。

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